
沖縄は「ブランド塩」の宝庫
沖縄はブランド塩の産地です。
ミネラル分豊富な海水という資源があることはもちろんですが、旧来から受け継がれ研究されてきた製塩技術が進歩しています。
塩の国内自給率は実は12%程度しかなく、その多くが東北で作られているそうですから、沖縄で生産・販売されている塩は一般に食されている食塩とはまた違ったものなのです。
沖縄では様々な特徴をもった海、そして独特の技術がいろんな特徴をもった塩を生み出しているのです。
高い品質の商品を毎年表彰するモンドセレクションでも各賞を受賞している商品も大変多いのです。
沖縄の製塩のはじめ
戦後、ずっと米軍統治下だった沖縄は1972年に日本に復帰します。
そして、その年に日本の様々な法律が適用されることになりました。その中に、食塩に関するルールもあり、その中で沖縄で旧来用いられていた塩は法令の基準に合わないため、日本の食塩が利用されることになりました。当時の塩は、海水に電気を通して塩化ナトリウムを取り出すといったもので、ミネラルや風味など、従来の塩とは全く違うものでした。沖縄の伝統的な料理とも合わず、食材を傷めたこともあったそうです。
それから1974年に、政府から「オーストラリアまたはメキシコの天日塩を原料として使用した塩なら製造・販売してもよい。」認可を受けて沖縄の自然塩「シママース」が復活するようになりました。オーストラリアやメキシコから原塩をもってきて、それと沖縄の海水を混ぜて作ったかん水を煮詰めて、塩の結晶を作り出す形で、沖縄の自然塩を使ったシママースが復活しました。
そして1997年に塩の専売制が終わり、2005年には完全に自由化がされて、それから沖縄では様々なブランド塩が登場するようになりました。これらは一般の食卓で使われるにとどまらず、高級料理に用いられたり、おみやげ品として人気を博しています。
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塩の専門店がすごい!
塩の専門店として「塩屋(まーすやー)」さんというお店が那覇市の国際通り近く(平和通り内に)あるのですが、ここはすごいです。
沖縄はもちろん、世界のいろんな塩を700種類以上とりそろえていて、店舗ではいろんな地域のいろんな塩を試食できます(食べ過ぎ注意)。そしてソルトソムリエが希望をきいて、一番合った塩を出してくれたり、いいブレンドの塩を提案してくれます。
塩ってこんなにあるんだ!という感想を抱くことは勿論、大差ないだろうと思っていた塩の味の奥深さを感じますので、是非とも足を運んでいただけたらと思います。
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こんなところで使われている沖縄の塩
沖縄の塩は、いろんなところで利用されています。
・一般の食卓
・商用の高級おにぎりの材料
・クッキー、ケーキ、アイスなどの原材料
・高級ホテルなどの食材
・石鹸や歯磨き粉など健康・美容用品の原料
・様々な食品の原材料
塩ちんすこう、塩バニラアイス、などなど色んなものが作られているのを沖縄でよく見かけます。塩がそれだけ強調されるようになったんですね。塩サイダー、塩飴なんていうのも最近はありますね。
その他にもいろんな利用の道があり、高級品としての位置をちゃくちゃくと築いてます。
塩づくり体験、その他
沖縄では製塩工場で塩作りを体験・見学できるところがあったり、観光スポットで塩づくりを体験できるところもあります。
自分が作った塩を食べてみると、同じ材料で同じ方法で作っても、隣の人と何か少し違ったりします。こういうのも面白いですね。
ちなみに、塩のウンチクを少し紹介すると、財団法人塩事業センターによれば、体内において塩は、
・消化と栄養の吸収を助ける
・細胞の水分やpH値を保つ
・刺激の伝達を助け、脱水症状や血圧低下、立ちくらみなどの防止
という特徴があり、また、
・ビタミンCの分解抑制作用
・防腐作用
・脱水作用
・味に対する対比作用(一方の味を強める)や抑制作用(一方の味を弱める)
・食感に対する作用
・褐変防止作用
など、様々な特徴があるからこそ単純な食品、調味料の枠を超えて利用されているとのことです。
人間は塩が無いと死にますが、塩があって生きていればいいのではなく、塩の役割を理解してこそもっといろんなことに利用できるんですね。
沖縄に来て、塩について考えてみる、味わってみる、そんなテーマのツアーも面白いかもしれませんね。
【参考】
宮古島の雪塩 公式Webサイト