実は沖縄特産!?「ミドリムシ(ユーグレナ)」
沖縄の新しい特産品になろうとしているもののひとつが、ミドリムシです。
ミドリムシというと、学校の理科の授業のイメージが浮かぶ人が多いと思いますが、このミドリムシ、実は今、健康食品として非常に注目を集めているもので、そしてそのミドリムシの培養は日本で(もしかすると世界で)沖縄の石垣島でのみ行われているのです。
ミドリムシは学名を「ユーグレナ」と言い、世界的にはこちらの表記が一般的。日本においてはミドリムシがすっかり定着していますが、ちょっと名前とイメージが商品展開上は不利な感じがして、ユーグレナももっと定着してほしいと思います。
現在市販されている商品の原料は石垣島産であり、他成分や含まれる濃度などによって商品に違いが出ているという状況なのだそうです。
ミドリムシが世界を救う日
僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦
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実は、ミドリムシというのはすごい生き物です。
生物の進化の中では、かなり原始生物に近い生物なのですが、自ら活動することができるという動物の性質を持ちつつも、葉緑素を持って光合成を行うことができるという植物の特性を持っています。簡単に言えば、動物と植物の両方の特性を持っているのです。
そして、最近わかってきたのはこのミドリムシ、ものすごく栄養価が高いということです。何と、59種類もの栄養素をその体内に有していて、人間に必要な栄養素がほぼ全てその中には入っているのだそうです。
光合成で成長するということは、水と光と二酸化炭素さえあれば、自分で増えていきますから、これを食料品として加工することができれば、世界中の食糧問題が解決できるのでは?とまで言われているんですね。ただ、その培養には色々技術的に難しい部分があり、まだそのノウハウを持っている企業が東京大学発の企業のみで、それが沖縄の石垣島で研究・培養施設を持って活動しているのですね。
さらに、光合成は熱も作り出しますし、そして二酸化炭素を吸って酸素を作り出しますので、CO2の問題やエネルギー問題の解決にも利用できるのではないかと研究が進められているそうで、このミドリムシには世界中から熱い視線が注がれているのです。
ちなみに作っているのは、こちらの「株式会社ユーグレナ」さんです。
ミドリムシの栄養は?
ミドリムシには59種類の栄養素が含まれていると言いました。
表にすると以下の通りです。
ビタミン類 | α-カロテン、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK1、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸 |
ミネラル類 | マンガン、銅、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、ナトリウム |
アミノ酸類 | バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、グリシン、セリン、シスチン |
不飽和脂肪酸 | DHA、EPA、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ジホモγ-リノレン酸 |
その他 | パラミロン(β-グルカン)、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、GABA、スペルミジン、プトレッシン |
なかなか普段の生活では摂取しにくい栄養素を含めて、多くの栄養素が入っているのが嬉しいですよね。しかも、動物性の栄養素も植物性の栄養素も両方含まれているという、きわめて珍しい性質を持っているのが特徴です。
どのような商品がある?
今のところ、多く見られているのは栄養補助サプリメントで、またもうひとつがダイエット用の補助食品です。
品質などの細かい差異は私には分かりかねますが、いずれも高い人気と効果を誇る製品であるようです。
◆豊富な栄養だからこそ、体質の改善や強化に最適。体の不調にも有効です。
◆ミドリムシ、豊富な栄養の割りにはカロリーは少ないそうで、ダイエットやメタボ対策にも最適です。
このようなミドリムシですが、残念ながら現在のところお土産屋さんではあまり見かけられません。とはいえ、国際通りのドラッグストアに行くと割と強気なお値段にも関わらず、ほとんど売り切れています。きっと、お目が高い外国人観光客が購入していくのでしょうね。
インターネットで購入する分には売り切れの心配はあまりありませんし、お土産屋さんに行く必要もありません。隠れた特産品として覚えておいていただけたら幸いです。