沖縄の染色技術の結晶「紅型(びんがた)」

沖縄の染色技術の結晶「紅型(びんがた)」

沖縄の染色技術の結晶「紅型」

沖縄には昔からいくつかの染色方法がありますが、その中でも最も有名なのが「紅型(びんがた)」と呼ばれるものです。紅型は元々技法や製法を指す言葉で、それが転じて紅型で作られた衣類や布を指すようになっています。

その名称から赤色を想像しますが、昔の沖縄では色付けをすることを「紅(びん)をつける」と表現していたそうで、必ずしも赤い色だとは限らないそうです。紅型だとしても黄色や青など多様な色による表現が行われています。

沖縄の王族や上流階級の衣服によく用いられ、中国や東南アジアとの交易が盛んな時期には貴重な輸出品となっていました。そのため、他国の歴史書や交流の記録には紅型と思われる記録が多く残っているそうです。

紅型の特徴

紅型の特徴は顔料が主な染料となっていることや、天然素材で染めること、そして基本的に手作業で染めが行われることです。また、沖縄の自然を鮮やかに表現したものが多いのがデザイン上の特徴です。

日本の多くの染物は落ち着いた色合いが多いですが、沖縄の紅型では鮮やかな色が特に多く目立ちます。王族や上流階級が着用する機会が多かったからかもしれません。

紅型づくりは非常に手間がかかり、繊細な技術と経験が必要な職人芸であるのは言うまでもありません。

こうした紅型を作るための型紙や道具は戦争によって失われていましたが、戦後に本土に持ち込まれて残っていた型紙や道具を故・城間栄喜さんが収集して、技術を継承し、紅型の復活に尽力したと言われています。

紅型の雑学

■ 黄色や赤が多いのはなぜ?

紅型に黄色や赤がデザインとして多いのは、沖縄が中国の文化の影響を強く受けていたからです。昔の中国では、黄色は皇帝が着ける色として非常に尊い色とされ、赤は縁起の良い色として使われていました。

そのため、沖縄でも王族や上流階級を中心にこうした色を高級品として好んで使いました。庶民が青や藍の紅型をつけることもあったそうですし、喪服としての紅型には藍色も使われていたと言われています。

■ 柄で身分がわかる

基本的に柄が大きい紅型は高級品で相応の身分の人しか着ることができませんでした。また、竜や鳳凰の柄も王族にしか許されていなかったそうです。

ただ、家柄が良くても老人になれば基本的に落ち着いた色で、柄の小さなものを着ていたと言われています。歳をとってからは栄華を強調せず、知恵をもって暮らすのが良いと考えられていたのでしょう。

■同じデザインは無い

紅型は手作業で作られ、その製法上、環境の影響を受けやすいこともあって、全く同じ色合いやデザインを作るのが難しいそうです。

また、昔はオーダーメイド品として他の人が同じ服を着ることがないよう、注文して作らせた後は型紙を処分してしまう風習があったそうです。

そのため、昔の王族などが着用していたような紅型の名作は再度作ることが不可能だとされています。

■ 紅型には雪の柄もある

紅型は沖縄の自然を表現することが多いため、どうしても季節感が乏しくなります。そのため、本州の人が見ると色合いなどからトロピカルな印象を抱くかもしれません。実際、沖縄は気候的にも季節によるメリハリが少なく、昔は今ほど情報を得る機会もなかったため、制作アイデアに広がりが乏しいのは仕方ない部分があります。

しかし、本土との交流が盛んになってくると日本の四季を体験した人がデザインを担当して雪を表現したり、沖縄にはない植物などを紅型で表現したものも出てきました。

現代ではさらに、様々な表現が行われており、常に新作への挑戦が行われています。

■ 県民なら紅型体験は一般的

沖縄県民は、紅型づくりを経験したことがある人がほとんどです。紅型教室が催されたり、地域文化の継承を目的に小学校や中学校で授業の一環として行われることもあります。地元の高校や大学の中には、紅型などの染色を専門的に学ぶところもあります。

今は観光客向けに紅型体験コースをプログラムにしている工房もあり、多くの人が紅型に触れる機会が提供されています。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

やってみると、それなりのものが作れるので簡単に思われがちですが、やはり職人が染め上げたものはその正確さや美しさが全然違いますし、柄も複雑で使用する色も多くなっています。一度作ってみると、見る目が大きく変わりますよ。

紅型のお土産品

紅型のお土産品にはいろんな種類があります。

■着物・反物

やはり代表は着物や反物ですね。いわゆる琉装といわれるものは紅型染めが多いです。

■手ぬぐい

手ぬぐいは沖縄ではティーサージと呼ばれています。暑い地域だけに使っている人も多いからか、いろんなデザインの品が販売されています。

■その他

のれんやテーブルクロスなど、生活の中で利用できます。

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